出せない手紙

居室担当をさせて頂いているTさん

いつも、ニコニコ
誰の話も
『うんうん‥そうなのねー』と聞き役に徹してくださり入居のみなさんもそんなTさんが大好き
ついつい話をしたくなっちゃって
いつも聞き役で大変ではないかなと心配になる程です
時々、職員の買い物に付き合って頂いたり
用事を作っては事務所に呼びお茶を飲みながら
たわいもない話をさせてもらう事で
少しでも心が軽くなればな‥と思っています
ある日、『お世話になった人に心配かけるといけないと思って挨拶もろくにせずにこっちに来ちゃって‥手紙を書きたいから一緒に便箋買いに行ってくれない?』と。
それがかれこれ2ヶ月くらい前のこと‥
先日夕食後2人きりになった時に
恥ずかしそうに
『実はねずっと書いては消して書いては消してってしてる手紙があってなかなか書けないのよぉ』と。
『えーー?』
昨今、ネットが普及してメールで1日何通もやり取りしている私からしたら出せないなんてなんでー?という気持ちでした。
でも、よくよく話を聞かせてもらうと
『この人はね、昔とてもお世話になってね。それから、こっちの人は主人がとても大切にしていたお友達の奥さんでね‥』と
普段からどんな時も相手の事を考え
誰にでも優しく気配りさせるTさん
手紙1つでもこんなに心を込めて
手紙をもらった相手の気持ちまで考え書く内容を何度も何度も書き換える‥そんな姿に
普段私たちが忘れかけている
大切なものを思い出させてもらった時間でした
その後、『やっと手紙出せたの』と嬉しそうに笑ったTさんの笑顔が忘れられません
遠くからいろんな人がTさん宛に電話をかけてきてくれるわけがここにもありますね❤️